坂木司『ショートケーキ』

小説

今回は坂木司著『ショートケーキ』

ショートケーキを巡る短編集

母子家庭の女子学生、コージーコーナーのアルバイトの男子大学生、その弟のために頑張るお姉さん、育児に奮闘するママ等‥

それぞれがショートケーキにまつわる想いを持ちながら、甘く、時にはすっぱく。

こういった短編集って、他の話との繋がりを見つけるまでのワクワクも一つの楽しみ。

どの話もハズレのない、どれも欠けてはならない内容ですが、私はやはり主婦として目線で「ままならない」に大共感。

育児中の母親目線での、子ども可愛さの中に存在するままならなさが、絶妙に表現してあり。

あの頃の私は本をじっくり読む程の心の余裕もなかったけれど、この本に出会っていたら、「自分だけじゃないんだ」と勇気を貰えてたと思う。

坂木司先生の、全体に漂う平和な空気感は、安心して読み進められる。

前回の望月麻衣先生と似て、悪に振り切らない人間模様にホッとする。

酸っぱさの中にも、読後感が温かく、

自分が今どんな心理状態でも安心して読める1冊。

 

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