今回紹介するのは
望月麻衣著『旋律』
主婦のあなたが、もし男子高校生と出会ったら。夫から心無い言葉を投げかけられ、その男の子が心の拠り所となったら。
〜〜あらすじ〜〜
一人娘の母親として専業主婦をする円香。そして通園路で出会う男子高校生の楓。
楓の見目麗しい姿に、そっと「推し」設定するだけだったはずの円香。
ひょんなことから会話する仲となり、お互いに「ピアノ」と「英会話」のレッスンをすることになり‥。
望月先生らしく、テンポの良さと読みやすさ。そして私が望月先生らしいと思う、悪に振り切らないところで進むストーリー。
本当に純粋な愛、切なさ、あとに残る余韻を堪能したい方にオススメです。
私は、一人娘の母親で専業主婦という所に共感しながら読み進めました。
親子ほどとは行かないまでも、この年の差でどのように関係性が進んでいくのかと思ったけれど、楓の苦しい過去からの大人びた雰囲気で、違和感なく進みます。
最近の望月先生の著作は「京都」や「占星術」に関わるものが多い中、今回は全く違った雰囲気で新鮮なところもオススメのポイント。
というもの、望月先生が20代の頃に書かれたもののようです。
最近の作品ももちろん好きなのですが、過去にはこういった雰囲気のものもあるのかと、望月先生の新たな一面を見られた気がします。
これはぜひ、同じ境遇の主婦の方に特におすすめ。
乳幼児の育児中の方など、共感しながら読み進められるのではないでしょうか。
子どもという宝物があるにも関わらず、どこか自分の色というものを見失ったように感じる日々。
結婚して、出産して、マイホームを得て、専業主婦として過ごす、幸せなはずの日々。
そこに物足りなさを感じるのは、贅沢なのか‥
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